FC2ブログ
あの大戦から65年。その時兵士だった方々の体験をビデオに残そう。保存の会発全国キャラバン隊の歩み。
今日は日本の自衛権について質疑が行われた日です。
久しぶりに、70年前、1946年の話です。

1946年6月20日、第90回帝国議会が開院し、口語体の憲法改正案が衆議院に提出されました。
そこから、本会議で可決する8月24日まで2ヶ月あまり、衆議院での審議が行われます。
6月25日、「帝国憲法改正案」が衆議院本会議に上程されました。本会議を28日までやって、その最終日に、委員会を設置することになるのです。

6月26日、時の首相吉田茂は、「9条は自衛戦争も放棄」とする答弁をします。
6月27日、憲法問題担当国務相に就任したばかりの金森徳次郎が、天皇の地位と国体の変更について、変更されるのは「政体」(天皇を中心とする政治機構)であって「国体」(天皇をあこがれの中心として国民が統合していること)ではない、という答弁をします。いわゆる「あこがれ天皇論」です。
これは、GHQに懸念を抱かせることになり、金森はケーディス民生局長から改めて真意を問われました。
それに答えて、金森6原則と呼ばれるものが出てきます。(7月17日に会談を持ち、そこで金森が語った内容を文書化したもの)
◆→
第一 従来の天皇中心の基本的政治機構は新憲法では根本的に変更されてゐる
(従来の天皇中心の根本的政治機構を以てわが国の国体と考へる者があるが、之は政体であつて、国体ではないと信ずる)
第二 現行憲法に於て国民意思は天皇により具体的に表現されるが新憲法では然らず。
(新憲法では国民意思は主として国会を通じて具体的に表現される)
第三 天皇は新憲法に於ては象徴たるに止まる。象徴の本質は天皇を通じて日本の姿を見ることが出来る。と云ふことに在るのであつて、国家意思又は国民意思を体現すると云ふやうな意味をもたない。
第四 現行憲法では天皇は何事も為し得る建前になつてゐるが、新憲法では、憲法に明記された事項以外は何事も為し得ない。
(法律を以て其の権限を追加することも絶対に出来ない。)
第五 現行憲法に於ける天皇の地位は天皇の意思又は皇室の世襲的意思に基くものと一般に考へられて居たが、新憲法に於ては天皇の地位は全く国民主権に由来する。
第六 政治機構とは別個の道徳的、精神的国家組織に於ては天皇が国民のセンターオブデヴォーションであることは憲法改正の前後を通じて変りはない。
(国体が変らないと云ふのは此のことを云ふのである。)
→◆
新憲法の下では国民主権であり、国民の意思は国会を通じて具体化されるものである、ということを述べているようです。
天皇は、政治機構と別の存在として国民の心の中にあり続けるということでしょうが、「道徳的」「精神的」というのは、やっぱり微妙な言い回しだと思います。これは、国内へ配慮した表現でしょうか。

6月28日、共産党の野坂参三が衆議院で「自衛権の確保・侵略戦争放棄」の質問をします。
野坂は、戦争には正しい戦争と正しくない戦争があり、侵略される国が自衛するための戦争は正しい戦争にあたるという趣旨の発言をしました。満州事変に始まる大戦を侵略戦争、正しくない戦争の例として挙げています。
自衛のための戦争までは放棄すべきでないということです。
これに対する吉田茂の答弁は以下のようなものでした。
◆→
戦争放棄に関する憲法草案の条項におきまして、国家正当防衛権による戦争は正当なりとせらるるようであるが、私はかくの如きことを認むることが有害であると思うのであります。近年の戦争の多くは国家防衛権の名において行なわれたることは顕著なる事実であります。故に正当防衛権を認めることがたまたま戦争を誘発する所以であると思うのであります。……御意見の如きは有害無益の議論と私は考えます
→◆
戦争というのは防衛の名のもとに行われるものだから、自衛戦争なら正しいという考えは有害無益、というわけです。
吉田はまた、武力というのは持っていると使いたくなるものだから持たないほうがよいというようなことも述べているということです。

こうした質疑を経て、この6月28日、衆議院帝国憲法改正案委員会が設置され、「帝国憲法改正案」を付託されます。委員長は芦田均。8月21日まで21回開催されることになります。

同日、共産党は「日本人民共和国憲法草案」決定しました。

なんというか、現在の政党の主張から見ると、いろいろと衝撃的です。
スポンサーサイト



コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://senjotaikenhozontabi.blog2.fc2.com/tb.php/2508-d6f3e2ed
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック