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あの大戦から65年。その時兵士だった方々の体験をビデオに残そう。保存の会発全国キャラバン隊の歩み。
当初7月に先遣隊としてお邪魔する予定だった福井の体験者の方を、「夏の陣」の殿(しんがり)として取材しました。
メーリングリストに流れた取材報告を公開します。

◆◆◆

◎村内甚之助さん

1922年(大正11)生 88歳
野砲兵第21連隊(祭7378 京都)
最終階級 陸軍伍長(砲兵)

昭和17年(1942)後半、徴兵検査。
昭和18年(1943)2月10日、京都の野砲兵第21連隊に現役入営。
当時、野砲兵第21連隊は南京の警備を担当していたので、南京に移動。そこで本格的な初年兵訓練を受けた。「ご存知のように、それはもう凄いものでした」と苦笑い。詳細は話してもらえなかったが、その分、訓練を凄まじさがうかがえました。

昭和18年6月、ビルマに転進命令が下る。上海からタイ・チェンマイを経由してビルマ・マンダレーに到着。マンダレー到着は8月頃でした。
タイまでは海路だったが、そこからは徒歩行軍だったそうです。すでに制空権は連合軍の手に渡ろうとしており、昼間行軍は出来ず、夜間の行軍だったとのこと。
野砲兵第21連隊が装備していたのは95式野砲(だったと思うとのこと)。連隊は3個大隊あり、1個大隊は3個中隊に分かれ、1個中隊4門の編制だったそうです。村内さんの所属は第2大隊第4中隊。1個大隊はタイに残置したので、
ビルマに移動したのは2個大隊でした。野砲は1門につき2~3頭の馬で牽引しました。

マンダレーに半年ほど駐留した後、昭和19年(1944)3月、祭第15師団隷下部隊としてインパール作戦(ウ号作戦)に参加します。
戦記では、野砲は山中に運べないので旧式の山砲に変更させられたとあるので、村内さんに聞いてみましたが、少なくとも村内さんのいた第4中隊は野砲のままだったそうです。他の部隊のことは知らないとのこと。ただ、野砲を山中に運べなかったのは事実で、村内さんの第4中隊も野砲は残し、擲弾筒や迫撃砲を装備して作戦に参加しました。おかげで本来、後方にいるべき野砲兵が最前線に配備され、戦死した戦友も多く出たそうです。

作戦中、被害が増大していくと、中隊単位での活動は困難になり、いくつかの中隊が合同して混成部隊となっていきました。とにかく、食料や弾薬など補給が何もなかったことには大弱りで、「あんなひどい戦をよくやらせたものだ」と悲憤興奮されていました。撤退時には文字通り、白骨街道の中を通り、自決用の手榴弾を求める兵士の声を何度も聞いたそうです。
「うまく言葉に出来ないのがもどかしい」「その様子は、とても口で言えるものではない」と村内さんは何度もおっしゃっていましたが、もっともなことだと思います。

インパール作戦後、イラワジ会戦、マンダレー作戦、トング作戦などに従事。
野砲は対戦車砲として使うようになり、やがて破壊して撤退を続けました。
昭和20年(1945)6月、ビルマ・トング東方で敵弾の破裂で負傷。第15師団の野戦病院に入れられます。この野戦病院がまた、病院とはとても言えないひどいところだったそうです。
野戦病院が後退するとき、象に乗せてもらい、これはいいと喜んでいましたが、途中、象の揺れに酔い、象の背中に吐いてしまいました。ところが象がそれをいやがり、鼻から水を出して汚物が村内さんにモロに返ってきてひどい目に会ったそうです。

こんな状況なので玉音放送など聞くこともなく、8月15日以降も何日かは敗戦を知らないでいましたが、あるビルマ人部落に入ったところ、ビルマ人が「ジャパン、マスター」と言いながら手を挙げるしぐさをしました。万歳をしているのかと思い、日本軍に威光はすごいな、と感じいっていたら、それは降伏の意味を手を挙げるだとわかって愕然としたそうです。
その後、イギリス軍の捕虜になったのですが、そこの収容所長が戦時中、日本軍の捕虜となっていたのですが、その時、日本軍に親切にされていた恩返しだと言って優遇されたとのことです。
1年後の昭和21年7月、鹿児島に上陸して復員しました。

ビルマの戦いで村内さんは3人の戦友と特に親しくなり、戦死したら生き残った者が遺骨を内地に持っていこうと約束しました。村内さん以外の3人は、ビルマの戦いで戦死し、生き残ったのは村内さんだけでした。村内さんは3人の遺骨の一部を飯盒に入れていましたが、負傷して野戦病院に運ばれた時、飯盒ごと紛失してしまいました。
村内さんは、戦後、近くの寺で3人の供養を行い、節目節目の年に一人で供養を続けています。寺の住職から、もうこの辺でやめたらどうかと言われましたが、自分が生きている限り、これからも続けていくと答えたそうです。
ここにも、戦後65年過ぎて、まだ戦争が終わっていない元兵士の姿を見た感じがしました。
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